雪が降り積もる銀山温泉の石畳を、ゆっくりと歩いていく。
古い木造の旅館が立ち並ぶ通りは、まるで時間が止まったかのような静けさに包まれていた。
到着
長い旅路の果てに見えてきたのは、小さな灯りを灯した木造の宿。
玄関をくぐると、優しい笑顔の女将さんが出迎えてくれた。
「お疲れ様でした。ゆっくりなさってください」
その言葉だけで、旅の疲れが溶けていくような気がした。
部屋と時間
案内された部屋は、シンプルながらも温かみのある和室。
窓の外には雪景色が広がり、時折舞い落ちる雪の結晶が美しい。
夕食は部屋で。地元の山菜や川魚を中心とした料理の数々。
作り手の思いが伝わってくるような、丁寧な仕事に心打たれる。
温泉
夜、露天風呂に浸かりながら見上げた星空は、言葉を失うほどの美しさだった。
湯気の向こうに広がる満天の星。
都会では決して見ることのできない光景に、心が洗われていく。
朝
朝日が差し込む部屋で目覚めると、昨日までの疲れはすっかり消えていた。
朝食を終え、出発の時間。
女将さんが玄関まで見送ってくれる。
「また来てくださいね」
その言葉を胸に、再び旅路へ。
でも、この宿での時間は、きっといつまでも心の中に残り続けるだろう。
本当に休まる場所って、どんな感覚だろう?
"遠さ"は時に、心の余白なのかもしれない。