「通知音のない世界で、何が聞こえるだろう」
そんな問いを胸に、スマートフォンとPCを自宅に置き、湖畔の小さな宿へと向かった。
最初の不安
最初の数時間は、ポケットに手を入れるたびに感じる喪失感。
時間を確認できない、写真が撮れない、道に迷った時に地図が見れない。
そんな「できないこと」への不安が、少しずつ心を占めていく。
変化の瞬間
しかし、半日が過ぎた頃から、不思議な変化が訪れ始めた。
鳥の声が聞こえる。風の音が聞こえる。自分の足音が聞こえる。
そして、自分の内側の声も、少しずつ聞こえてくるようになった。
見つけた時間
本を読む時間。湖を眺める時間。考え事をする時間。
それは、日常では忘れがちだった「ただそこにある時間」だった。
帰路にて
帰り道、ふと思った。
デジタルデトックスの本当の意味は、デジタルを否定することではなく、
自分とデジタルとの関係を見つめ直すことなのかもしれない。
「テクノロジーは道具であって、目的ではない」
その当たり前のことを、改めて感じた週末だった。